にんにく卵黄は身体に良いのか?検証してみました

 

 

にんにく卵黄とは鹿児島の南薩摩、離島を中心に江戸時代から代々伝えられてきた滋養食とされています。にんにくの主成分であるアリシンは殺菌力、スコルジンは強壮作用を持っています。さらにドイツのコミッションEと呼ばれる薬用植物評価委員会においては血中の脂質を下げる目的と血管の変化予防の2つの治療目的での使用が許可されています。また、卵黄油は疲労軽減や血行を良くすると言われていますが、科学的に信頼出来るデータは認められていません。
一昨年我々が行ったパイロット試験では軽度の高血圧、軽度の高血糖、軽度の高脂血症である閉経後の女性6名を対象に12週間にんにく卵黄を摂取させ、摂取前後で血圧、血中脂質、抗酸化力がどのように変化するかを検討しました。結果は収縮期血圧、拡張期血圧、血中LDLコレステロール、血中グルコースが優位に減少し、また抗酸化作用に対する有効性も認められました。
昨年の本学会においてにんにく卵黄がLDLコレステロール、血圧の低下作用を有することについて発表しました。本研究では前回のパイロット試験に引き続きプラセボ対照2群並行群間比較試験を実施し、血中脂質や眼精疲労に対する影響について検証しましたので報告いたします。眼精疲労に関しましてはお客様の声が多数あったため検証対象としました。
試験方法です。年齢は40から59歳までの健常女性22名です。各被験者へは事前に十分な試験に関する説明を行い文書による同意を得て実施いたしました。摂取については株式会社てまひま堂様から提供されたにんにく卵黄229-55を毎食後1錠ずつ1日あたり3錠を12週間摂取させました。にんにく卵黄摂取群のにんにく卵黄原末摂取量は1日あたり480mgになります。検査項目は身体測定、理学的検査、血液生化学検査、調節機能検査で検査は摂取前と摂取12週後の2回実施しました。
こちらは調節機能検査の補足説明です。目の調節機能の検査の実施には浜松ホトニクス製のドライイリスC9000を用いました。トライイリスは近くを見る場合の目の調節機能である輻輳反応と瞳孔反応の変化を測定し、調節機能異常を測定する装置です。指標を前後に移動させ、その際の瞳孔位置、瞳孔径を連続して測定します。今回眼精疲労の指標として瞳孔径の縮小率をあらわす縮瞳率を算出いたしました。健康な状態ではこのように瞳孔の動きの幅が広く、つまり縮瞳率は大きくなり、疲労している状態では同行の動きの幅が狭くつまり縮瞳率は小さくなります。
こちらが調節機能検査による視覚負荷前後での縮瞳率の変化量の結果です。縮瞳率の変化量はにんにく卵黄群で平均で、摂取前-2.13%から摂取12週後2.97%と統計的増加傾向を示しました。この結果によりにんにく卵黄の12週摂取により視覚負荷による目の疲れの影響を受けにくい目になったことがうかがえます。
その他の検査項目について我々の先行試験の本試験の結果をまとめました。青いバーは先行試験の結果です。軽度の高血圧、軽度の高脂血症の被験者で実施しており、いずれの項目においても摂取前に比べて摂取12週後に優位な減少を示しています。一方紫のバーが本試験でのにんにく卵黄群、緑のバーが本試験でのプラセボ群です。いずれの項目も全値が正常値範囲内であり、にんにく卵黄の12週摂取後に一部変化は見られたものの、全項目において正常値範囲内での挙動でした。このことからにんにく卵黄の摂取は血圧や血中脂質が高値を示す場合には低下させる作用を持ち、正常値範囲内である場合には恒常性を維持するホメオスタシス作用があることが示されました。
考察です。先行研究にて顕著に結果が表れた血中LDLコレステロールに着目しました。にんにく卵黄群で血中LDLコレステロールが減少を示した7名を減少群、上昇した4名を上昇群と2つのグループに分け、判別分析を行ったところ、量グループ間で収縮期血圧において統計的優位さが認められました。またプラセボ群では統計的優位さは認められませんでした。
そこで横軸に摂取前の収縮期血圧、縦軸に血中LDLコレステロール変化量をとって結果をプロットしたところ、各グループが別々の集団として判別されました。またプラセボ群でも同様な解析を行いましたが、別の集団として判別はされませんでした。
判別分析の結果から正常値範囲内でも血圧が少し高めのグループはLDLコレステロールが下がりにくい傾向があるのではと推測され、にんにく卵黄の摂取はまず血圧を下げる効果が働き、その後コレステロールの低減作用が働くのではないかと考えました。
にんにく卵黄サプリメント1日480mg12週間摂取させることによる有効性についてまとめます。縮瞳率の変化量から眼精疲労の度合いを表す縮瞳率についてはゲーム機による視覚負荷前後の変化量について改善する統計的傾向が見られ、眼精疲労の改善が示唆されました。血圧、LDLコレステロールについては軽度の高血圧や高脂血症の者に対しては高い効果を示すが、正常値範囲内の者に対しては生体の恒常性を維持するホメオスタシス作用が確認されました。にんにくの経口摂取の副作用とされる口や胃腸の炎症、胸やけ、鼓腸、吐き気、嘔吐、下痢といった症状は本試験の被験者には認められなかったことから本試験条件下でのにんにく卵黄のヒト摂取において高い安全性が確認されました。